紙と鉛筆
2022.03.27
大学院入試くらいになると辞書や関数電卓の利用が許可されることもありますが、たいていの試験で受験生が使える道具は、紙と鉛筆だけです。この「唯一の武器」をいかに使いこなすかということに、もっと注意を払って欲しいと常々感じています。

まなびやの授業はホワイトボードへの板書を中心にしていますので、ほとんどの生徒は「書いてもらえばわかる」ことを実感してくれているだろうと思います。しかしそこから「自分で書いて解く」までの道筋をつけるのは、とてつもなく大変です。私は「力押し」の勉強法をできるだけ避けたいと考えていますが、この基礎技術だけは、習慣と積み重ね以外で上達することができません。もちろん「こうやって書くと話を整理しやすい」とか「こういうことに気をつけながら書くと効率がよい」といったテクニックは伝えられますが、たとえば野球の練習をするときの素振りのように、楽器を練習するときのスケール往復やロングトーンのように、いくら教わっても自分で練習しなければ力にならない技術です。

例に挙げた楽器と野球に限らずどんな分野でも、堅実で質の高い基礎技術を身に付けられるのは、自分で試して間違えて修正しながら練習を重ねた人だけです。これは生徒に向けて言っているのではなく、教える側や、もしかしたら「勉強させたい」親の立場でも、重要なヒントになってくれる考えではないかと思います。

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