更新を停止します
2022.03.30
諸般の事情により、学習塾まなびやを廃業することとなりました。
このウェブログの記事はしばらく残しておきますが、いつまでとは決めておりません。
ご愛顧ご愛読に感謝いたします。
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紙と鉛筆
2022.03.27
大学院入試くらいになると辞書や関数電卓の利用が許可されることもありますが、たいていの試験で受験生が使える道具は、紙と鉛筆だけです。この「唯一の武器」をいかに使いこなすかということに、もっと注意を払って欲しいと常々感じています。
まなびやの授業はホワイトボードへの板書を中心にしていますので、ほとんどの生徒は「書いてもらえばわかる」ことを実感してくれているだろうと思います。しかしそこから「自分で書いて解く」までの道筋をつけるのは、とてつもなく大変です。私は「力押し」の勉強法をできるだけ避けたいと考えていますが、この基礎技術だけは、習慣と積み重ね以外で上達することができません。もちろん「こうやって書くと話を整理しやすい」とか「こういうことに気をつけながら書くと効率がよい」といったテクニックは伝えられますが、たとえば野球の練習をするときの素振りのように、楽器を練習するときのスケール往復やロングトーンのように、いくら教わっても自分で練習しなければ力にならない技術です。
例に挙げた楽器と野球に限らずどんな分野でも、堅実で質の高い基礎技術を身に付けられるのは、自分で試して間違えて修正しながら練習を重ねた人だけです。これは生徒に向けて言っているのではなく、教える側や、もしかしたら「勉強させたい」親の立場でも、重要なヒントになってくれる考えではないかと思います。
まなびやの授業はホワイトボードへの板書を中心にしていますので、ほとんどの生徒は「書いてもらえばわかる」ことを実感してくれているだろうと思います。しかしそこから「自分で書いて解く」までの道筋をつけるのは、とてつもなく大変です。私は「力押し」の勉強法をできるだけ避けたいと考えていますが、この基礎技術だけは、習慣と積み重ね以外で上達することができません。もちろん「こうやって書くと話を整理しやすい」とか「こういうことに気をつけながら書くと効率がよい」といったテクニックは伝えられますが、たとえば野球の練習をするときの素振りのように、楽器を練習するときのスケール往復やロングトーンのように、いくら教わっても自分で練習しなければ力にならない技術です。
例に挙げた楽器と野球に限らずどんな分野でも、堅実で質の高い基礎技術を身に付けられるのは、自分で試して間違えて修正しながら練習を重ねた人だけです。これは生徒に向けて言っているのではなく、教える側や、もしかしたら「勉強させたい」親の立場でも、重要なヒントになってくれる考えではないかと思います。
最高難度の英語の本
2022.03.13
左から、The End of the Tether(ISBN 9781534812697)、Heart of Darkness(ISBN 9781976775079)
ひとくちに「最高難度」とはいっても、人によってさまざまな解釈がありますが、現代英語で書かれた散文で私が「最高難度」に推すのはコンラッドです。
難しい言葉が多いだけの本は他にもありますが、コンラッドが一味違うのは、それぞれの言葉を「この表現にはこの言葉しかない」というレベルで的確に使っている点でしょう。反面、物語の中身というか、伝えている内容は大したものではなく、漱石なんかには「あそこまで凝ったことをやって中身はそれかよ」という趣旨の非難をされていますが、言葉遣いの巧みさをひたすら鑑賞するのが、この本を楽しめる読み方でしょう。また本の中身とは関係ありませんが、作者のコンラッドは英語のネイティブではなくポーランド人です。私もいち英語学習者として、驚愕と賞賛を禁じえません。
左のThe End of the Tetherは私が大学生のとき教科書になっていたもので、実物は前に手放して買い戻したのですが、単に話の筋を追うだけの読み方でも、英文科の学生が逃げ出すくらいの難しさです。実際、最初の数回で単位を諦めて、授業に出てこなくなった生徒が何人もいました。ひとつひとつの表現をしっかり楽しみながら読むには、その数倍の労力が必要です。
The Waste Land and Other Poems(ISBN 978-0-14-243731-5)
韻文部門はこれしかありません。泣く子も黙るTSエリオットです。
コンラッドは私も大学生のとき教科書として使いましたが、学部の(大学院生でない)生徒にエリオットを読ませようとする先生は、当時の英文科にはいませんでした。どうせわかりっこありません。卒業して20年くらい英語の勉強を続けていますが、今読んでもサッパリです。貸し出し対象図書ですが、中身がわからないからといって私に質問しても、助けにはなれません。これもどちらかといえば、本棚の見栄えのために置いてあるだけの本に近いでしょうか。いつか読みこなせるようになったらいいな、とは思っているのですが。
-関連記事-
図書貸出のお知らせ
-参考外部リンク-
The End of the Tether by Joseph Conrad@Gutenberg
The End of the Tether by Joseph Conrad@Gutenberg(朗読)
Heart of Darkness by Joseph Conrad@Gutenberg
Heart of Darkness by Joseph Conrad@Gutenberg(挿絵なし)
Heart of Darkness by Joseph Conrad@Gutenberg(朗読)
The Waste Land by T. S. Eliot@Gutenberg
The Waste Land by T. S. Eliot@Gutenberg(朗読)
日本コンラッド協会
日本T.S.エリオット協会
ひとくちに「最高難度」とはいっても、人によってさまざまな解釈がありますが、現代英語で書かれた散文で私が「最高難度」に推すのはコンラッドです。
難しい言葉が多いだけの本は他にもありますが、コンラッドが一味違うのは、それぞれの言葉を「この表現にはこの言葉しかない」というレベルで的確に使っている点でしょう。反面、物語の中身というか、伝えている内容は大したものではなく、漱石なんかには「あそこまで凝ったことをやって中身はそれかよ」という趣旨の非難をされていますが、言葉遣いの巧みさをひたすら鑑賞するのが、この本を楽しめる読み方でしょう。また本の中身とは関係ありませんが、作者のコンラッドは英語のネイティブではなくポーランド人です。私もいち英語学習者として、驚愕と賞賛を禁じえません。
左のThe End of the Tetherは私が大学生のとき教科書になっていたもので、実物は前に手放して買い戻したのですが、単に話の筋を追うだけの読み方でも、英文科の学生が逃げ出すくらいの難しさです。実際、最初の数回で単位を諦めて、授業に出てこなくなった生徒が何人もいました。ひとつひとつの表現をしっかり楽しみながら読むには、その数倍の労力が必要です。
The Waste Land and Other Poems(ISBN 978-0-14-243731-5)
韻文部門はこれしかありません。泣く子も黙るTSエリオットです。
コンラッドは私も大学生のとき教科書として使いましたが、学部の(大学院生でない)生徒にエリオットを読ませようとする先生は、当時の英文科にはいませんでした。どうせわかりっこありません。卒業して20年くらい英語の勉強を続けていますが、今読んでもサッパリです。貸し出し対象図書ですが、中身がわからないからといって私に質問しても、助けにはなれません。これもどちらかといえば、本棚の見栄えのために置いてあるだけの本に近いでしょうか。いつか読みこなせるようになったらいいな、とは思っているのですが。
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The End of the Tether by Joseph Conrad@Gutenberg
The End of the Tether by Joseph Conrad@Gutenberg(朗読)
Heart of Darkness by Joseph Conrad@Gutenberg
Heart of Darkness by Joseph Conrad@Gutenberg(挿絵なし)
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The Waste Land by T. S. Eliot@Gutenberg
The Waste Land by T. S. Eliot@Gutenberg(朗読)
日本コンラッド協会
日本T.S.エリオット協会
世界史関連の資料その2
2022.03.04
世界史や国際関係の勉強をしていて、まとまった情報が乏しく不便だなと感じている部分について、簡単にまとめたものをパブリックドメインのUTF-8テキストで公開します。
中国史の補足
ヨーロッパの言語と宗派
前13世紀までのメソポタミア
全部まとめて
-シリーズリンク-
ヨーロッパとイギリスの略年表
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