英語のニュースサイト
2022.02.28
このところ国際情勢がせわしなくなっています。より広く多様な情報を得るために、海外のニュースを読むのも有効な手段でしょう。

ニュースサイトは品質が大きく変わってしまうことがありますが、この記事を書いている時点での私のお勧めは、Al Jazeera(アルジャジーラ)とteleSUR(テレスール)です。アルジャジーラは中東のカタール、テレスールは南米のベネズエラが本拠地で、国際ニュースはロイターやBBCから買っている記事も多いようですか、サイト自体が見やすく読みやすいのと、記事の取捨選択に独特のセンスがあるのが特徴です。

なお、無料で高性能な機械翻訳を提供しているサイトも複数あるので、英語が苦手な人は活用してみるとよいでしょう。海外報道機関の「日本語版サイト」から得られるのとは、かなり違った情報も見つかるはずです。

-参考外部リンク-
Al Jazeera(Jazeera Satellite Channel)
teleSUR
DeepL翻訳(無料版)
Google翻訳
2022.02.28 19:51 | 固定リンク | 雑談
取っ付きやすい翻訳文学
2022.02.22
左から、老人と海(ISBN 978-4-10-210004-2)、外套・鼻(ISBN 4-00-326053-8)
 
老人と海は福田の昭和五十四年改訳版、外套・鼻は平井訳の横田改訂版。

初めて海外文学に触れてみようという人に、長すぎず、ドギツくなく、しかし一時代の雰囲気を垣間見られるような作品を紹介したい、と考えるとけっこうな難問です。「これでよし」の決定的な回答は誰にも出せませんが、この2冊が有力な候補になってくれるのは間違いないでしょう。どちらも語り口が素朴で、特別な前提知識がなくても楽しめます。

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-参考外部リンク-
老人と海@青空文庫
外套@青空文庫
2022.02.22 15:40 | 固定リンク | 本の紹介
30年以上気にもしなかったこと
2022.02.12
中学校で理科を勉強したとき、空気は窒素8割くらいと酸素2割くらいが混ざったもので、窒素は少し軽く酸素は少し重い、と習いました。そのとき「だったら軽い窒素は空の上の方に集まって、地面近くの低いところは重い酸素ばっかりになるんじゃないか」と疑問に思ったのですが「でも風が吹いたりすれば混ざるか」と一人で納得した記憶があります。

この考え自体はそう大きな間違いではなかったのですが、実は、地球規模で見るとほんの少しだけ「分離」していることが確認されたという研究発表をウェブで見つけました。いやはや「多分こんな感じじゃないの」で済まさずにとことん追求することで、こんな微妙な違いにも気付いて確認することができるとは、目から鱗が落ちる思いです。

-参考外部リンク-
成層圏大気主成分の重力分離の発見とその大気循環研究への応用@
東北大学大学院理学研究科 大気海洋変動観測研究センター

2022.02.12 22:26 | 固定リンク | 雑談
シェイクスピア関連の解説書
2022.02.07
左上、右上、左下、右下の順に、シェイクスピアハンドブック(ISBN 4-385-35275-5)、エリザベス朝の世界像(ISBN 4-480-01367-9)、深読みシェイクスピア(ISBN 978-4-10-120471-0)、シェイクスピアの悲劇(ISBN不明、後の版ではISBN9784003226315とISBN 9784003226322)
 
解説書なんてなくてもシェイクスピアは楽しめますが、知ることわかることで広がる楽しみも間違いなくあります。また歴史的作品なので、上演された当時とは世間の常識が変わってしまっているところも多く、それを補う知識があるに越したことはありません。

シェイクスピアハンドブックは、訳者として活躍した福田恆存の監修で、全作品をあらすじつきで解説しているのが特徴です。多数の著者が執筆しており書き方もそれぞれですが、全体としては、次は何を読もうか観ようかと迷ったときの案内にしたり、読み終わった観終わった後に「さて学者の先生方はどこに注目したんだろう」と開いてみるのに適しているでしょう。「なるほどそうか」という記事もあれば「いやいや違うでしょう」という主張もあるでしょうが、そういう意見を読んでからまた観直し読み直すことで、きっと新しい発見があるはずです。高校生がスラスラ読めるほど簡単な内容ではありませんが、大学の授業ほどの難しさではありません。ページ数は少ないものの、シェイクスピアの詩(ソネット)も紹介されています。

エリザベス朝の世界像は、かなりコワモテの本で、作品の解説というよりは時代考証のまとめ本のような雰囲気です。執筆された1943年当時のイギリス人(のある学派の学者)がシェイクスピアを「どう解釈したがっていたか」という資料として貴重ではありますが、文学研究をする人以外には必読書とはならないでしょう。シェイクスピアの悲劇はさらに古い本で、1904年の初版です(訳書の底本は1926年の改訂第十八版)。訳書も1939年の初版で、字体も仮名遣いも当時のまま、横書きの日本語は右から左に読ませるという筋金入りですが、しかしこれは内容自体が面白く、講義をまとめた本とは思えないほど生き生きとしています。すでにシェイクスピアに親しんでいる人であれば
そして俳優が、リアの最後の語調と身振りと顔付きとの中に、堪えられない歓喜を表現しようと試みない時、テキストの真意を誤解していることは、疑問の余地がないと思われる。(仮名遣いと字体を改め、傍点を強調表示に改めた)
という一文を読んだだけで、著者の明晰さと熱意を汲み取れることでしょう。

深読みシェイクスピアは、やはり訳者として有名な松岡和子先生の著書です。この本は解説書ではなくインタビューをまとめたもので、シェイクスピアを「訳す」こと「上演する」ことを中心に雑談も交えながら話が進みます。すでにシェイクスピアが好きで、原文も眺めてみたことはある読者には、楽しめる内容だと思います。

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2022.02.07 21:37 | 固定リンク | 本の紹介

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