シェイクスピア関連の解説書
2022.02.07
左上、右上、左下、右下の順に、シェイクスピアハンドブック(ISBN 4-385-35275-5)、エリザベス朝の世界像(ISBN 4-480-01367-9)、深読みシェイクスピア(ISBN 978-4-10-120471-0)、シェイクスピアの悲劇(ISBN不明、後の版ではISBN9784003226315とISBN 9784003226322)
解説書なんてなくてもシェイクスピアは楽しめますが、知ることわかることで広がる楽しみも間違いなくあります。また歴史的作品なので、上演された当時とは世間の常識が変わってしまっているところも多く、それを補う知識があるに越したことはありません。
シェイクスピアハンドブックは、訳者として活躍した福田恆存の監修で、全作品をあらすじつきで解説しているのが特徴です。多数の著者が執筆しており書き方もそれぞれですが、全体としては、次は何を読もうか観ようかと迷ったときの案内にしたり、読み終わった観終わった後に「さて学者の先生方はどこに注目したんだろう」と開いてみるのに適しているでしょう。「なるほどそうか」という記事もあれば「いやいや違うでしょう」という主張もあるでしょうが、そういう意見を読んでからまた観直し読み直すことで、きっと新しい発見があるはずです。高校生がスラスラ読めるほど簡単な内容ではありませんが、大学の授業ほどの難しさではありません。ページ数は少ないものの、シェイクスピアの詩(ソネット)も紹介されています。
エリザベス朝の世界像は、かなりコワモテの本で、作品の解説というよりは時代考証のまとめ本のような雰囲気です。執筆された1943年当時のイギリス人(のある学派の学者)がシェイクスピアを「どう解釈したがっていたか」という資料として貴重ではありますが、文学研究をする人以外には必読書とはならないでしょう。シェイクスピアの悲劇はさらに古い本で、1904年の初版です(訳書の底本は1926年の改訂第十八版)。訳書も1939年の初版で、字体も仮名遣いも当時のまま、横書きの日本語は右から左に読ませるという筋金入りですが、しかしこれは内容自体が面白く、講義をまとめた本とは思えないほど生き生きとしています。すでにシェイクスピアに親しんでいる人であれば
深読みシェイクスピアは、やはり訳者として有名な松岡和子先生の著書です。この本は解説書ではなくインタビューをまとめたもので、シェイクスピアを「訳す」こと「上演する」ことを中心に雑談も交えながら話が進みます。すでにシェイクスピアが好きで、原文も眺めてみたことはある読者には、楽しめる内容だと思います。
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解説書なんてなくてもシェイクスピアは楽しめますが、知ることわかることで広がる楽しみも間違いなくあります。また歴史的作品なので、上演された当時とは世間の常識が変わってしまっているところも多く、それを補う知識があるに越したことはありません。
シェイクスピアハンドブックは、訳者として活躍した福田恆存の監修で、全作品をあらすじつきで解説しているのが特徴です。多数の著者が執筆しており書き方もそれぞれですが、全体としては、次は何を読もうか観ようかと迷ったときの案内にしたり、読み終わった観終わった後に「さて学者の先生方はどこに注目したんだろう」と開いてみるのに適しているでしょう。「なるほどそうか」という記事もあれば「いやいや違うでしょう」という主張もあるでしょうが、そういう意見を読んでからまた観直し読み直すことで、きっと新しい発見があるはずです。高校生がスラスラ読めるほど簡単な内容ではありませんが、大学の授業ほどの難しさではありません。ページ数は少ないものの、シェイクスピアの詩(ソネット)も紹介されています。
エリザベス朝の世界像は、かなりコワモテの本で、作品の解説というよりは時代考証のまとめ本のような雰囲気です。執筆された1943年当時のイギリス人(のある学派の学者)がシェイクスピアを「どう解釈したがっていたか」という資料として貴重ではありますが、文学研究をする人以外には必読書とはならないでしょう。シェイクスピアの悲劇はさらに古い本で、1904年の初版です(訳書の底本は1926年の改訂第十八版)。訳書も1939年の初版で、字体も仮名遣いも当時のまま、横書きの日本語は右から左に読ませるという筋金入りですが、しかしこれは内容自体が面白く、講義をまとめた本とは思えないほど生き生きとしています。すでにシェイクスピアに親しんでいる人であれば
そして俳優が、リアの最後の語調と身振りと顔付きとの中に、堪えられない歓喜を表現しようと試みない時、テキストの真意を誤解していることは、疑問の余地がないと思われる。(仮名遣いと字体を改め、傍点を強調表示に改めた)という一文を読んだだけで、著者の明晰さと熱意を汲み取れることでしょう。
深読みシェイクスピアは、やはり訳者として有名な松岡和子先生の著書です。この本は解説書ではなくインタビューをまとめたもので、シェイクスピアを「訳す」こと「上演する」ことを中心に雑談も交えながら話が進みます。すでにシェイクスピアが好きで、原文も眺めてみたことはある読者には、楽しめる内容だと思います。
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