数学をいかに使うか
2021.02.22
数学をいかに使うか(ISBN 978-4-480-09325-7)

とても重いタイトルの本です。

本書の「はじめに」にを読むと

本書では線形代数と微積分の初歩を学んだ人を主な対象とする(略)大学の理工系に進んだ人、経済学で数学を使う人、中学、高校などで数学を教えている人(略)今学びつつある人ももちろん入る。
(省略は阿部による、以下同様)


とあり、私も中学生や高校生に数学を教えることがあるので、間違いなく「対象」に入っています。その後は
「使えない数学は教えなくてよく、学ばなくてもよい」

と続きます。そうです「いかに使うか」ということを考えずに学んでも意味がありません。使える使えないを考慮しないまま教えるなんて、もってのほかです。

ということで、盛り上がった気分で本編を読み進めると、いきなり現実を突き付けられます。難しすぎてまったく理解できません。だましだましで無理に読み進めましたが、第4章の「四元数環の重要性」という見出しを見て心が折れました。正直に言いますがチンプンカンプンです。ようするに私は、数学を勉強し始めるための準備(=この本の内容)を始めるための準備(=著者の言う「線形代数と微積分の初歩」)を始めるための準備(=私が「線形代数と微積分の初歩」だと思っていたもの)を「ちゃんと理解する」ことから始めなければならない、とそういうことです。そんな難しい本を紹介してどうするんだ、と思う人もいるかもしれませんが、たまには現実に打たれて虚心になることも必要です。その機会を得られただけで、内容は理解できなくても、この本を手に取った甲斐は十分にあるでしょう。

これだけで記事を終わらせるのもちょっと心苦しいので、最後に数学の知識がなくてもなんとなく言っていることはわかるくだりを引用しておきます。

旧制高校の数学の教科書には(略)次の三次または四次方程式を解けというのが少なくとも十五題以上あったと思う。私はひとつも解いたおぼえはない。(略)何でも昔から教えて来たことを無批判に教えるのは愚劣であるが、鶴亀算や旅人算を教えたように、「それを教えることになっている」と中々やめられなかったし、今でもやめられないのである。

なお、まなびやは「生徒が身に付けたいこと」優先の学習塾なので、要望があれば鶴亀算でも旅人算でも教えます。

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図書貸出のお知らせ
2021.02.22 17:03 | 固定リンク | 本の紹介
ヨーロッパとイギリスの略年表
2021.02.03
わざわざ断って配るほどのものではありませんが、パブリックドメインで公開します。

当初「イギリスの略年表」というタイトルで公開していましたが、まちゼミの資料用にヨーロッパ周辺の年表も作ったので、まとめてutf-8のテキストファイルにしました。
ヨーロッパ1、1万年前くらいまで
ヨーロッパ2、前8世紀くらいまで
ヨーロッパ3、4世紀末まで
ヨーロッパ4、8世紀始めまで
ヨーロッパ5、11世紀半ばまで
ヨーロッパ6、13世紀末まで
イギリス、18世紀まで
全部まとめて
一部参考資料のアドレスを文中に示してあります。

-シリーズリンク-
世界史関連の資料その2
2021.02.03 19:15 | 固定リンク | 配布・公開

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