なぜ「学校と同じ」授業でないか
2020.05.10
まなびやでは基本的に「学校と同じ」授業をしません。学校の授業でわからなかったこと、もっと知りたかったことを補いたいと考えれば自然とそうなるものですが、実は同じ科目でも目的や環境や時期によってやるべきことが大きく変わります。

たとえば高校1年生の数学で「チェバの定理」「メネラウスの定理」というのを習います。まなびやの授業ではこれらをごく軽くしか扱いません。2年生以降で習う数学にほとんど役立たず、覚える覚えないだけが問題になり授業中に扱う価値が低いからです。受験対策としても、三角形の面積比やベクトルの考え方で代用できるため、必要か不要かは一概に言えないとしても、急いで覚えるべき優先順位が低いのは間違いありません。

しかし私がもし高校の先生だったらと考えると、定期テストの問題にはこの2つを必ず出すだろうと思います。それも、教科書や参考書に出てくる図形そのままで数字だけ変えた問題を「そっくりそのままテストに出すよ」と予告した上で出します。なぜそうするかといえば、努力の間口を広げるためです。学習した内容を理解して覚えて使いこなせたら言うことがありませんが、学校が生徒に成績を付けなければならない場所であるからには「理解できなかったし使いこなせないけれど覚えはした」という努力にも相応の評価をしたいからです。

似たようなことをやっているようでも、学校、塾、予備校など、それぞれに目的や生徒の需要が異なり、授業の内容も自然と違ってきます。まなびやでは「合計の労力」をできるだけ減らすことを原則に、後で習う内容を先取りして紹介することもあればすでに習った内容に戻って説明することもあり、今すぐでなく後になって役に立つやり方を奨励することもあれば理解しないまま問題だけ解けてしまう邪道な方法で急場を凌ぐこともあります。

人によって「合う合わない」は必ずありますが、みなさんの頑張りに対して少しでも多くの「得」があるように、できうるかぎり「損」をさせないように、ということをいつも心がけています。

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