オズの魔法使い
2020.06.20
左から、英語版(ISBN 978-0-486-29116-1)、河野訳(ISBN 978-4-10-218151-5)、朗読(ISBN 978-1-5318-7742-2)
 
話の面白さ、生き生きとした文章、適度な長さといった内容だけでなく、デンスローの挿絵も素晴らしい、アメリカ児童文学の傑作です。

原文は高校生くらいの英語力があれば読める内容で、小難しい「受験英語の長文」に比べればはるかに読みやすいでしょう。かといって、取って付けたような「易しい英語」ではなく、読み進める努力に応えてくれるような「優しい英語」です。朗読も不自然にモタモタ読んでいるようなところがなく、日本人にとっては聴き取る難易度が高いものの、アメリカ英語本来のリズムやテンポを垣間見られます。

この本に限ったことではありませんが、まずは英語版を最後まで読み、改めて日本語訳を最初から、おかしいなと感じる所があれば原文も確認しながら読むのがよいでしょう。児童文学は、異文化圏の人たちと話すときの共通の話題にもなってくれますし、彼らの感性や考え方の根深い部分をうかがい知るための手がかりにもなります。

中学生が読むには少し大変かもしれませんが、田舎は高校受験にメドがつくのも早いので、余裕のある人にはぜひ挑戦してみて欲しいと思います。もちろん高校生以上でも、まとまった長さの英語の本を初めて読む人にはうってつけです。

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-参考外部リンク-
The Wonderful Wizard of Oz by L. Frank Baum@gutenberg
The Wonderful Wizard of Oz by L. Frank Baum@gutenberg(朗読)
2020.06.20 14:10 | 固定リンク | 本の紹介

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