高校入試駆け込み用のワーク
2020.11.01
きそもんシリーズ(教英出版)

高校受験用では珍しい「実戦的」なワークです。写真は英数だけですが5科目全部あり、理科と社会は「とりあえずこれだけは覚える」ことが整理されています。数学も少しムリヤリなところはありますがまずまずで、英語は前半の知識問題だけ使えば便利です。国語は必要ないと思いますが、5科目全部やったとしても1か月くらいあれば、多くの生徒が使い倒せるくらいのボリュームでしょう。

勉強を始めた時期が遅くスケジュールに余裕がない場合はとくに、解けない問題を何とかしようと頑張るよりも、わかる問題をどれだけ速く正確に解くかを追求した方が効果的なため、学力点300点満点のうち200点くらいを狙う生徒にとっても、このレベルの問題を全速力で「解き続けて」も間違えない自信をつけておくことは重要です。

高校入試 パターン別攻略、左から、数学(ISBN 978-4-410-15271-9)、理科(ISBN 978-4-410-15273-3)、英語(ISBN 978-4-410-15272-6)

高校数学の参考書「チャート式」で有名な出版社のワークで、英数理の3科目あります。普段から公言している通り、私はチャート式が大嫌いなので高校生には決して勧めませんが、高校受験用でかつ時期的に切羽詰っているなら「一夜漬けの大規模版」として有用です。ムリヤリ「最後まで全部」やる必要はあまりないものの、苦手な問題をみつけたときの精神的な動揺を抑えるためにも、受験の3か月くらい前までには手を付けた方が無難でしょう。

とくに理科はよくできており、高得点を狙う生徒は苦手がないか確認するために、そうでない生徒は稼げる問題を探すために使うと効果的でしょう。英語は平凡な内容ですが、英作文の問題数と読解問題のボリュームがけっこうあるので、全体としてはいいバランスのワークになっています。数学は、作図をちゃんと扱っていたり文章題を多くしたりと工夫されてはいるものの、目の前の問題を「ただ言われた通りに解く作業」になりがちなチャート式の悪癖が顔を出しているところもあり、力をつけるための勉強として選ぶなら使い方に注意が必要です。
2020.11.01 22:58 | 固定リンク | 教材の紹介

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