日本人の英語シリーズ
2020.12.13
左から、日本人の英語(ISBN 4-00-430018-5)、続 日本人の英語(ISBN 4-00-430139-4)、実践 日本人の英語(ISBN 978-4-00-431420-2)
 
英語を専攻した日本人にとっては耳の痛い話ばかりが詰まった三部作です。

最初の本は「日本人の英語が奇妙なのは、ここに誤解があるからじゃないの」という指摘、2冊目は「書くのが苦手なのはたしかにそうだけど、そもそも読めてないんじゃないの」という考察、3冊目は「こう書くよりもこう書く方が、しっかりした英語になるよ」というレッスンを中心にしています。とくに1冊めは高校生では読めないというほど難しい本ではありませんが、受験英語に直結する内容でもないので、むりに急いで読むことはないかなと思います。

この本を読むと、日本人が英語を書くのがどれほど難しいか改めて実感できますし、間違いを探して修正できる作文と違い話すときには、いったいどれほどのデタラメを言っているか想像するのも嫌になりますが、そこで恐れをなしては本末転倒です。私の意見では、外国語である以上少しくらい間違えるのは当然のことで、間違えないようにしようと思ったとたん語学を学ぶのは不可能になります。これはまなびやの授業でもことあるごとに指摘している鉄則で、突き詰めれば、日本人が日本語で読み書きや会話をするときだって、常に100点満点の日本語を使っているわけではありません。ただ慣れているから間違っても気にならないだけなのです。

そうすると、前回紹介したような本物の達人を最終的には目指すのであっても、そのレベルに達するまではどんどん間違えて、間違えすぎて間違いに鈍感になって、間違いに気付いてもまだまだ間違えて、ということを繰り返す以外に、どうにもしようがないわけです。またその達人でさえも、ネイティブと同程度しか間違えないというだけで、まったく間違えないのでは決してありません。もしそのことに気付くことができたら、英語だけでなくあらゆる勉強や練習に応用できる、貴重な体験になります。

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