オックスフォード実例現代英語用法辞典
2021.09.05
Practical English Usage(ISBN 978-0-19-420241-1)

紙の英語版、紙の日本語訳、オンライン版など多くの種類があるうち、第4版(2016年)のペーパーバックです。

日本での商品名は「辞典」になっていますが、まさに「実用案内」というのがふさわしい本です。英語を読んでいて腑に落ちない表現を見つけたとき、英語を書こうとして言葉使いに迷ったとき、聞いた英語に何となく違和感があったとき、英語で話したら相手が「わかってはくれたようだけど微妙な表情」をしていたときなど、英語を使ううえで何か問題に出会ったときに、大きな助けになります。まなびやの分類では教材扱いで、図書貸し出しの対象ではないのですが、生徒用の教材ではなく先生用のアンチョコみたいなもので、自信満々で英文を書いてから「ん?」となって、慌ててこの本で調べ物をする私の姿が、まなびやの教室ではけっこうよく見られます。

内容としては、言葉の使い方や使い所や使い分けを、整然とした分類に従って幅広く簡潔に解説し、それぞれに用例がついているという体裁です。後半の語彙分野がとくに秀逸で、たとえば「highとtallはどう違うんだ」などという地味で素朴な疑問に、専門用語に頼らず実例に即した説明で答えてくれます。実用書と達人芸の鑑賞本という違いはありますが、以前紹介した最所先生の読む辞典にも通じるところがあるでしょう。

英文科の大学生は、もしendとfinishの違いがわからなかったら、大辞典でなくともせめて中辞典を引いて、専門用語もゴリゴリ使いながらしっかり確認した方が後々のためですが、卒業して実用英語を使う立場になったときには、こういう本が大変便利です。学生でなくとも、とくに英語を「書く」人にとって、座右に置いて損のない本です。
2021.09.05 16:33 | 固定リンク | 教材の紹介

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