英検用の問題集
2021.01.22
左から、英検頻出度別問題集準2級(ISBN 978-4-471-47062-3)と3級(ISBN 978-4-471-47063-0)と4級(ISBN 978-4-471-47064-7)、英検2級リスニング問題120(ISBN 978-4-01-093441-8)
 
まなびやの方針というより私個人の経験上、語学資格としての英検はほとんど評価していませんが、教材としては有用なものです。

英検教材のいいところは、まずなによりもリスニング用のCDが付属している点です。最近になっていわゆる「四技能」というのがさかんに取り上げられますが、各技能が「往復」するように勉強するのが効率的です。つまり、耳で聞かないと話せるようにならない、口で話さないと読めるようにならない、目で読まないと書けるようにならない、という「下から上へ」の学習と、書くことで読んでわかるようになる、読むことで話し方がわかる、話すことで聞き取れるようになる、という「上から下へ」の学習の、両方が大切です。リスニングの教材を聞いて、書き留めて、内容を確認して、自分の口でも言ってみるというのは、ほとんどの生徒が「嫌がる」勉強法ですが、継続すれば絶大な効果があります。

受験勉強の材料としては、選択問題を解く練習になります。学力を身に付けるには選択問題ではなく記述問題(または口述問題)が必要だというのが私の意見ですが、選択問題には特有の「テクニック」があり、勉強時間を抑えたい生徒には「おいしい思い」ができるチャンスになりますし、しっかり勉強したい生徒は早めに習得しておけば後で時間的な余裕が生まれます。現実問題として、実用英語の勉強、受験英語の勉強、学校英語の勉強、英検の勉強はそれぞれ、まったく別物と考えた方がよいくらいかけ離れたものですが、それらを応用し使い回すための心がけや工夫を経験する機会も得られます。この経験は英語以外の勉強や習得にも有用で、たとえば数学にしても、中学・高校・大学でほとんど別のことをやるようでいて、しかし応用はちゃんとできるものです。

話を戻しましょう。英検2級のリスニングは「使い回しは工夫次第」の好例といえます。このあたりから「英検のための勉強」の割合がさらに増え、資格取得だけを目標にすると労力面で不経済になりますが、教材自体はかなり広い範囲の学習に応用できます。たとえば中学生なら「2級のリスニング」は「3級の読解」とほぼ同じ水準の英文になっていますから、解答ページの「書いた英語」を読み解きながら、ネイティブにお手本で読み上げてもらい、自分でも真似て話す練習ができます。また「話す速さ」が絶妙で、ネイティブが「外国人向けに気を使ってゆっくりはっきり話してくれた」ときとほぼ同じペースになっていますから、実用英語を学びたい人が「最初にマスターすべき」目安としても使えます。より進んだ勉強がしたい生徒なら、問題を見ずに音声だけ聞いて、質問されたら英語を口で話して答えるといい練習になります。
2021.01.22 19:19 | 固定リンク | 教材の紹介

- CafeLog -